輸出品の価格は海外ではドルで表わされます。たとえば、日本円で1万円の輸出品は、1ドル250円ならドル建てでは40ドルです。しかし1ドル125円まで円高になると80ドル。日本では1万円のまま、値上げはしてない。でもドル建てでは価格が倍になる。「日本品は高くなったぞ、買うのやめようか」と考える人が出て、日本品の輸出量が落ち込みます。すると、日本での生産量も落とさなければならなくなります。雇用にも下請けへの仕事の発注にも、影響が出てきます。もう1つは、これとは逆。円高になっても海外での販売価格が上がらないと、やはり不況になるのです。メーカーが1万円という値段をつけるのは、たとえばコストが7千円で儲けを3千円と見込むからです。円高前には海外で商品1個が売れると40ドルが手に入る。それを円に換えれば1万円。コストもまかなえ、儲けも出る。メーカーにとってはハッピーです。しかし、日本品を扱う海外のディーラーは日本品の値上げを認めない傾向があります。値上げで客が減ると彼らにとっても困るからです。
地域別の1人当たり個人所得をみても、ベスト3は、ニュー・イングランド、中部大西洋岸、太平洋岸と両岸地域が独占しており、最も豊かなニュー・イングランドと最も貧しい東南中央部とでは、実に7000ドルもの開きがあります。さて、上記の現状に至るまでの地域経済の動態的な変化を振り返ってみましょう。86年7月、上下両院経済合同委員会の民主党スタッフから、興味深い報告書が提出されました。「ザ・バイコースタル・エコノミー」という表題のこの報告書は、レーガン政権誕生後、経済成長に地域パターンが存在することを浮き彫りにしました。これは一言で言うと、大西洋岸・太平洋岸の東西両岸地域が成長しているのに対し、内陸中央部の多くの州では、経済活動が低迷しているということです。
都内の有名大学卒業生の90%は、わずか250社の大手企業に採用されているとも言われるように、日本では大企業が多くの優秀な人材を抱えこんでいます。従って、この能力を生かすことができれば、先端技術の開発・対応にそれほど問題はないようにも思えます。しかし、大手の企業で採用されている既存の経営手法が大きな阻害要因となってくるでしょう。例えば、民間企業では関係部課間の複雑な調整作業があります。このシステムでは、漏れのない検討が可能ですし、全体としての合意が得られるので、意思決定された後の実行が早いというメリットがありますので、巨大な設備を有して規格品の大量生産を行うには合理的なシステムと言えます。しかしどこか一部でもノーが出れば先に進めず、決定までに長い時間がかかります。結局、決定は先延ばしとなり機会を失って、成功するプロジェクトも成功できなくなることが生じがちです。ドックイヤーと言われるハイスピードで動いている先端技術の分野では、時間のロスはそれだけで失敗に直結する危険性が高いのです。